いい作品です。読んだおかげで米沢まで行きましたから・・・。
「逆軍の旗」に収録されていた短編、「幻にあらず」を長編になおしたもの。そして、その後の話も途中まで描かれています。
「途中まで・・」というのは、この作品が藤沢周平さんの遺作で、結局ラストまでは書ききれなかった、と。といっても、ちゃんと(いきなりですが)終わっているので、読む価値ありどころか激・オススメ作品です。
借金まみれの米沢藩を立て直そうと奮闘する執政と藩主の、長く暗いトンネルな物語。実話です。題材がこんな感じなので、どうしても暗い。それは仕方ないが、明るい未来を想像しながら藩を立て直そうとする登場人物に涙・・。
たとえどんづまりでも、未来は・・。
というのは、「ただ耐え忍び・・」というわけではなく、「未来のためにやれることは何か?」という前向きな忍耐。
はっきりいって、面倒くさい作品です。激しい立ち回りもない。恋愛的な要素はほぼなし。とにかく、貧乏藩のことばかり。
それでも読む価値がある。
米沢に到着し、愛宕山から田んぼを眺めた時は、なんとも感慨深かった。
米沢で上杉鷹山ゆかりの地を辿った一日はこちらの記事をどうぞ。
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