陳瞬臣(ちんしゅんしん)さん、お初です。
はっきり言って、その昔の私は「三国志」というものには興味が無かったんです。が、横山光輝さんの漫画版「三国志」を読んで、「活字で読みたい・・」なんて思うようになったのでした。三国志には、『正史三国志』と『三国志演義』との2つがあり、前者は史実に忠実であり、後者は脚色込みのものとされています。
なんてことは、こんなところにまで書くことはないくらいですが・・・。
魏(国の名前)の曹操(孟徳)はいわゆる物語としての三国志である『三国志演義』では悪役として描かれています。日本の戦国時代でいうなら、織田信長のイメージとでもいうか・・。戦にはっきりコレと分かるような善悪があることは少ないものですが、物語して万人に受け入られるにはどうしても善悪の対立関係が必要です。
日本で三国志がここまで好まれているのは、やっぱり劉備(玄徳)の立ち位置や振る舞いに対して(実際の主人公は諸葛亮(孔明)ですが)、日本人の判官びいきな気質が共感を覚えるのだと・・・というのが一般的な解釈(いろいろツッコミたいところではありますが)。
しかし、最近は私も好きな漫画、蒼天航路がそうであるように、曹孟徳(曹操)を主役として取り上げるものも多いです。これはもう、とにかく面白い。
そして、この作品も曹操が主人公。乱世の奸雄と言われた曹操の、将というよりは人としての一面を描いた作品です。もちろん、三国志を何も知らずに読んでしまうと、全く何が面白いのか分からない可能性もあります。歴史ものというのはやはり、いろんな角度から読むと面白いもので、三国志も同じです。
いやー、もうかなり面白かった。
陳瞬臣さんは、三国志関連だけでもいろいろ書かれているので(この作品の続編もある)、今後はどんどん読んでいくような予感・・。まぁ、まだ積読本が山のようにあるので、長生きしなければ他の作家さんも含めて、達成は難しいんだろうが・・。
間隔があいて出てくる登場人物に対する説明がやたら多いので、「それはもうわかっとるわーい」なんて思いながら読むかもしれませんが、一気読みしない人にはちょうどいい感じだと思います。
オススメです。
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