初めて読みます、綿矢りささん。
設定がかなり好みでした。
子供モデルから子役?、CMタレント、その後バラエティに出たりと芸能界をのし上がっていく主人公。半・生涯契約のCMのおかげで、全国の人に見守られながら成長していく「ゆーちゃん」。しかし・・・
てな感じです。
全体に明るい雰囲気が薄いのは、最初から母親の回想でスタートしているのもあるかもしれません。主人公は「ゆーちゃん」である夕子なわけですが、どうも母親の物語のような感じもあります。
ややネタバレかもしれませんが、最終的には”芸能人としての破滅”の方向へ向かいます。これは読み初めから、そう予感させるものがあるので、展開としては「ああ、そうなるかやっぱり・・」な感じですね。実際にも、全く同じように落ちて行った?芸能人もいそうに思います。
ん~芸能界・・・なんとも奇妙な世界ですねぇ(フィクションなのでそのまんまではないとは思いますが)。
いい感じに暗い作品で、なかなか好みです。
評価は高めですが、ちょっと残念なのが・・。
その先(直後)を描くか、さらに先(どんな子供ができるのか)を描いて欲しかったなー。なんて思ったり・・。ま、余計なことと思えば「蛇足だ」なんて思うので、身勝手な話ではありますが・・。
ラストに母親との会話を入れてくれるだけで、もっと面白かったような・・。若しくは、母親視点での回想で終わり、とか。
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