確か旅の途中、富山あたりで読んだ。
ここまで藤沢周平という素晴しい作家の作品にハマっていながら、なぜ山形を観光しようという選択肢が頭に浮かばなかったのか・・・。
なんて一瞬後悔したものですが、「また行けばええか~」なんてなもので。
藩の用人(要するにお偉いさん)を勤め、隠居した三屋清左衛門の物語。「残日録」とは、死ぬ前の残りわずかな日を記録・・・という意味のちょっとした自分への皮肉なのか、残された時間を精一杯生きたいという意味を込めたものか・・、どっちなのか。
本人は「日残りて昏るるに未だ遠し」なんて言っているので、前向きということか。
これはいい言葉だ。2、30年後に思い出したい(記憶にタイマー機能があったら便利やなぁ・・)。
で、内容はというと。
隠居した清左衛門の元に、元同僚や後輩が「ちょっとお願いしますよぉ~」なんて感情を隠しながら、仕事を持ってきます。隠居暮らしを満喫したいけど、用人時代の忙しさも忘れられない清左衛門は、渋りながらも嬉々として仕事を請け負う。まぁそんなオハナシです。軽く読めますが、藩の政治やら剣術やら恋愛?やら、内容は盛りだくさんで飽きません。
★の数は、限りなく5に近い4というところ。
旅をしている最中は、「(今は)俺も半分は隠居生活みたいなもんか・・」なんて思いながら読んでいました。
面白いです。オススメ。
コメント