オルファクトグラム、という意味すら調べずに読んでみました。
文庫本を読む際、裏の解説?は見ずに読み始めるので、いつものことですが。
なにやら、嗅覚の話らしいです。
嗅覚ミステリー?なんじゃそら~!とか思いながら読みはじめたんですが、これがなかなか面白い。かなり長い大作なんですが、それでもそれなりに飽きずに読める(もうちょっと短くてもいいと思うんですけどね)。
なかなか展開しなくて、けっこうイライラしたりもしますが、そこも「嗅覚頼み」ゆえの苛立ちが表現されているというように受け取ったりして、一気読み。
登場人物の一部があまりにも高潔なので、「ちょっとそりゃやりすぎじゃ・・」なんて思ったりもしましたが。
しかし、何と言ってもこの作品の魅力は「匂いが視覚化された世界」を疑似体験できてしまうところでしょうか。疑似体験とはいっても、活字ですけどね。それでも、それを疑似体験のように思ってしまうほど、入り込むこともできます。ん~、素晴しい。
やっぱり、なんか終わり方がちょっとミステリーにありがちなんですけどね・・。
まぁ、これだけの分量を一気に読まされ、「匂いを視覚化」の世界を体験させてもらったので、☆4つで。
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